780MでQwen-Image-2.1を試す:5倍速く、透明背景もそのまま出る
以前のQwen-Image-2512のテストで、Radeon 780Mでも20B級の画像モデルが動くことは確かめた。ただ、1024x1024の画像を1枚作るのに約20分かかる。
Qwen-Image-2.1は2512よりずっと小さいモデルで、透明背景の出力に標準で対応している。ComfyUI 0.37.2ならそのまま使える。同じミニPCで、同じ5つのプロンプトを512x768と1024x1024で生成した。設定は25ステップのEulerで、シードも固定している。
2.1は512x768で約9.3倍、1024x1024で約5.5倍速かった。このミニPCで、背景除去を別に通さずに使えるRGBAスプライトが出たのも今回が初めてだ。
使った機材とモデル
これまでと同じGMKtec K8 Plusを使った。Ryzen 7 8845HS、Radeon 780M(gfx1103)、共有DDR5 32GBで、単体GPUは積んでいない。ComfyUIはComfyUI-TheRock経由で動かしていて、HIP版のPyTorchが内蔵GPUを直接使う。
設定はComfyUI 0.37.2、25ステップ、Euler/simple、シード固定で統一した。モデルファイルの構成は下の表にまとめた。
| Qwen-Image-2512 | Qwen-Image-2.1 | |
|---|---|---|
| Diffusion model | Q4_K_M GGUF、12.34GB | int8 convrot、6.76GB |
| Text encoder | Qwen2.5-VL fp8、8.74GB | Qwen3-VL int8、8.71GB |
| VAE | 0.24GB | 0.63GB |
| ディスク上の合計 | 21.32GB | 16.10GB |
2.1のウェイトはComfy-Orgの再パッケージ版を使った。ComfyUIの公式ワークフローも同じモデル配置で、透明画像用のプロンプトの書き方も載っている。
ベンチマーク
プロンプトは5つ用意した。暖色のデスクランプ、ちび騎士のゲームスプライト、夕暮れの日本の路地、文字ラベル入りのリンゴ、透明背景の赤いポーションスプライトだ。両モデルを両解像度で回したので、全部で20枚になる。


下の表の時間は、ジョブを投げてからPNGが保存されるまでの実測値だ。モデルのロードやテキストエンコード、VAEデコードも含んでいるので、自分でワークフローを回したときの待ち時間とほぼ同じになる。
| プロンプト | 2512 512x768 | 2.1 512x768 | 2512 1024² | 2.1 1024² |
|---|---|---|---|---|
| デスクランプ | 16.3分 | 1.6分 | 22.5分 | 4.3分 |
| ちび騎士 | 14.0分 | 1.6分 | 22.3分 | 3.9分 |
| 夕暮れの路地 | 14.0分 | 1.5分 | 22.7分 | 3.9分 |
| リンゴのラベル | 14.0分 | 1.6分 | 22.8分 | 4.5分 |
| RGBAポーション | 14.0分 | 1.5分 | 22.9分 | 4.1分 |
| 平均 | 14.5分 | 1.6分 | 22.6分 | 4.1分 |
10枚の合計は、2512が185.4分、2.1が28.5分だった。512x768でプロンプトを5回直すなら、2.1は8分ほどで終わる。同じ手直しを2512でやると1時間を超える。
画質
2512はスタイル指定をより文字どおりに守った。騎士は完成したゲームイラストのようで、路地の画像には自動販売機、赤い郵便ポスト、屋台、密集した電線が一枚にきっちり収まっている。
2.1は全体に写真寄りで、ランプと路地はよくできていたものの、構図は指定から少し外れた。コンセプトを詰める段階なら、このトレードオフは受け入れられる。512x768なら次の1枚が13分ほど早く出るからだ。
ラベルは両モデルとも、両解像度でAPPLEと780Mを正しく描けた。OCRは使わず目で確認しただけなので、4枚という小さなサンプルでの結果として読んでほしい。
アルファテスト
ポーションのプロンプトでは、透明背景のRGBA画像をはっきり指定した。2512は両解像度とも、暗い背景で塗りつぶされたRGBのPNGを保存した。ポーション自体はきれいだが、スプライトにするには背景除去を一度挟む必要がある。
2.1は両解像度でRGBAのPNGを保存し、アルファ値は0から255までフルに使われていた。透明な部分はファイルにそのまま入っているので、後からクロマキーで抜く作業はいらない。
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ゲーム素材なら、この切り抜きをそのままスプライトアトラスやUIのレイヤーに置ける。背景除去ツールだと輪郭に色のフチが残ったり、半透明のピクセルが削れたりしやすい。最初からアルファチャンネルがあれば、その手当ても要らない。
なお、2.1のワークフローはどのプロンプトでもRGBAで保存する。リンゴのラベル画像では、ピクセルの8〜18%でアルファ値が241まで下がっていた。スプライト以外の用途では、単色の背景に合成してから使ったほうが安全だ。
問題になった失敗
最初の2.1の実行は途中で止まった。17ジョブを終えたあと、残りの1024²ケースのVAEデコード中にComfyUIのプロセスが落ちた。サンプリングは終わっていて、潜在表現をピクセルに戻す段階でクラッシュしている。
リカバリーでは、デコードノードだけをVAEDecodeTiledに差し替え、タイル512ピクセル、オーバーラップ64ピクセルに設定した。これで未完了だった3ケースも最後まで通った。2.1の10件のうち7件は通常のデコード、3件はタイルデコードで測っているので、2.1の数字はその混在込みのワークフロー時間として見てほしい。
内蔵GPUでは、VAEデコードも他の処理と同じ共有メモリを使う。拡散ステップが収まっても、デコードでメモリが足りなくなることがある。ベンチマーク用のスクリプトは、今は2.1のジョブすべてでタイルデコードを使っている。
どちらを使うか
スタイルや構図の正確さを何より重視するなら、2512もまだ選択肢に入る。ただ、1回やり直すたびに夜の時間がごっそり減る。
780Mで実用的なのは2.1のほうだ。512x768なら1枚2分かからないので、スタイルがずれたプロンプトを回し直す負担は小さい。
この記事のOGP画像の背景も、Qwen-Image-2.1で生成した。1216x640、25ステップでシードを変えて2枚作り、1枚あたり3.3〜3.4分で終わった。OGP画像のワークフローの記事で使った2512の背景は、20ステップで平均15分45秒かかっている。左側にタイトルを置く余白が広いほうを選んだ。2.1の出力はRGBAだったので、タイトルを重ねる前にRGBへ変換している。